食のリスクコミュニケーション・フォーラム2025
『市民のリスクリテラシ-向上につながるリスコミとは』
第1回テーマ:『機能性表示食品の安全性をどう担保する?』(4/26)開催速報
【開催日程】2025年4月26日(土)13:00~17:00
【開催場所】東京大学農学部フードサイエンス棟中島董一郎記念ホール+オンライン会議(Zoom)ハイブリッド開催
【主 催】NPO法人食の安全と安心を科学する会(SFSS)
【後 援】消費者庁、東京大学大学院農学生命科学研究科
【賛助・協賛】キユーピー株式会社、旭松食品株式会社、カルビー株式会社、
株式会社セブンーイレブン・ジャパン、日本生活協同組合連合会、サラヤ株式会社、
日本ハム株式会社、東海漬物株式会社
【参加費】3,000円/回、学生は1,000円/回
*SFSS会員、後援団体(先着1~2 名程度)、メディア関係者(取材の場合)は参加費無料
3人の専門家より、それぞれのテーマに沿ったご講演をいただいた後、パネルディスカッションでは参加者からのご質問に対して活発な意見交換がなされました。
【プログラム】
13:00~13:50 『機能性表示食品等の今後の問題点』
宗林 さおり(岐阜医療科学大学 教授)
13:50~14:40 『消費者からの有害事象に関する自発報告の意義』
種村 菜奈枝(福島大学食農学類 准教授)
14:40~15:30 『紅麹問題を受けた機能性表示食品制度の変更点と事業者・消費者の安全への向き合い方』
加藤 亮(読売新聞東京本社 記者)
15:30~15:50 休憩
15:50~17:00 パネルディスカッション
『機能性表示食品の安全性をどう担保する?』
パネリスト:上記講師3名、 進行:山崎 毅(SFSS理事長)

宗林さおり先生

種村菜奈枝先生

加藤亮先生


*講演要旨ならびに講演レジュメは以下のとおりです:
➀宗林 さおり(岐阜医療科学大学 教授)
『機能性表示食品等の今後の問題点』
機能性表示食品は昨年の紅麹の問題が起きたことで大きく注目されることとなり、再発防止のため検討会が開催され、改善点・基準等が出ている。1 つは健康被害情報の収集であるが、医師のヒアリング等が必須となり、報告対象となる事例が集まりにくくなっている。この具体的問題点と、企業や消費者はどう対処すればいいのかお話ししたい。また、GMP の義務化については、準備に時間を要することや、栄養機能食品やその他のいわゆる健康食品についても課題があると考えている 等。
<宗林先生講演レジュメ>
➁種村 菜奈枝(福島大学食農学類 准教授)
『消費者からの有害事象に関する自発報告の意義』
いわゆる「健康食品」は、主に健康の維持増進や不足した栄養素の補給等を目的とした摂取が期待されている。一方、利用にあたっては、一定のリスクの存在も無視できない。
いわゆる「健康食品」の摂取に伴う健康被害を未然防止または拡大防止するためには、その予兆(いわゆる、“シグナル“として)を迅速に察知することが重要である。この統計的なシグナル検出の目的は、いわゆる「健康食品」の安全性にかかわる仮説を効率的に生み出し、安全性評価の優先順位付けの助けとなる可能性がある。そこで、健康被害の拡大防止を目的に、重要な有害事象の予兆をシグナルとして効率的に検出するための解析方法の事例を紹介するとともに、シグナル検出を可能とするために必要な安全性情報集積の
意義を述べたい。
<種村先生講演レジュメ>
➂加藤 亮(読売新聞東京本社 記者)
『紅麹問題を受けた機能性表示食品制度の変更点と事業者・消費者の安全への向き合い方』
昨年3月に小林製薬が機能性表示食品のサプリメント「紅麹コレステヘルプ」を摂取した人が腎臓の病気になったと発表してから1年が経過した。同社に申し出のあった死者数は400人を超えた。
機能性表示食品でこれだけ大きな被害が発生したことを国は大きく受け止め、短期間で制度の見直しに着手した。制度の変更点は多岐にわたり、事業者には新たにどんなことが求められるのかを確認するとともに、安全に利用するために消費者は、どのように機能性表示食品と向き合っていく必要があるかを考える。
<加藤先生講演レジュメ>
*なお、参加者アンケートの集計結果は後日掲載します。
(文責・写真:miruhana)