食のリスクコミュニケーション・フォーラム2025 第4回:『腸内細菌による健康リスク低減』(10/19)開催速報

食のリスクコミュニケーション・フォーラム2025
『市民のリスクリテラシ-向上につながるリスコミとは』
第4回テーマ:『腸内細菌による健康リスク低減』(10/19)開催速報

【開催日程】2025年10月19日(日)13:00~17:00
【開催場所】東京大学農学部フードサイエンス棟中島董一郎記念ホール+オンライン会議(Zoom)ハイブリッド開催
【主  催】NPO法人食の安全と安心を科学する会(SFSS)
【後  援】消費者庁、東京大学大学院農学生命科学研究科
【賛助・協賛】キユーピー株式会社、旭松食品株式会社、カルビー株式会社、
   株式会社セブンーイレブン・ジャパン、日本生活協同組合連合会、サラヤ株式会社、
   日本ハム株式会社、東海漬物株式会社
【参加費】3,000円/回
 *SFSS会員、後援団体、協賛団体(口数次第)、
   メディア(媒体名で参加)、栄養士、学生は参加費無料

3人の専門家より、それぞれのテーマに沿ったご講演をいただいた後、パネルディスカッションでは参加者からのご質問に対して活発な意見交換がなされました。

【プログラム】

13:00~13:50 『腸内細菌叢と健康のかかわり』
平山 和宏(東京大学大学院農学生命科学研究科 附属食の安全研究センター長・教授)
13:50~14:40 『食由来腸内細菌代謝物と肥満・免疫制御』
宮本 潤基(東京農工大学大学院農学研究院食品機能学研究室・准教授)
14:40~15:30 『腸内細菌叢研究から考える健康で幸せな生活への貢献』
小田巻 俊孝(森永乳業株式会社研究本部基礎研究所腸内フローラ研究室・室長)
15:30~15:50 休憩
15:50~17:00 パネルディスカッション
『腸内細菌による健康リスク低減』
パネリスト:上記講師3名、 進行:山崎 毅(SFSS理事長)

平山和宏先生

宮本潤基先生

小田巻俊孝先生

*講演要旨ならびに講演レジュメは以下のとおりです:

➀平山 和宏(東京大学大学院農学生命科学研究科 附属食の安全研究センター長・教授)
『腸内細菌叢と健康のかかわり』

我々の腸内には膨大な数の細菌が住んでおり、互いに複雑に関係しあいながら安定した生態系、すなわち腸内細菌叢を構成している。腸内細菌叢は宿主の代謝を上回る多彩な代謝活性を有し、我々宿主とも密接な相互関係を持ちながら健康や疾病に様々な影響を与えている。その影響は、我々に有益な場合もあれば、有害な場合もある。近年では、免疫系の正常な発達や肥満や糖尿病など、腸管以外の全身への影響についての報告もみられる。行動や脳の機能への影響にも注目が集まっている。今回のフォーラムでは、腸内細菌叢の健康へのかかわりや腸内環境を良い状態に保つことによって健康を維持する試みについて、講師の先生方に紹介していただく。
平山先生講演レジュメ

➁宮本 潤基(東京農工大学大学院農学研究院食品機能学研究室・准教授)
『食由来腸内細菌代謝物と肥満・免疫制御』

近年のメタゲノム解析やメタボローム解析などのオミクス技術の進展により、腸内細菌の構成や機能、そして腸内細菌が産生する多様な代謝物が宿主の免疫系、代謝系や神経系に多面的な影響を及ぼすことが明らかとなってきた。特に、宿主が摂取した食事を基質として腸内細菌が産生する代謝物(食由来腸内細菌代謝物、ポストバイオティクス)は、腸内環境と宿主の生理応答を繋ぐシグナル分子として注目されている。本講演では、我々が明らかにした食由来腸内細菌代謝物の同定およびその宿主受容体を介した恒常性維持機構について、最新の知見を交えて紹介する。
宮本先生講演レジュメ

➂小田巻 俊孝(森永乳業株式会社 研究本部 バイオティクス研究所 所長)
『腸内細菌叢研究から考える健康で幸せな生活への貢献』

食品企業は、日々の食生活を通じて人々の健康で幸せな生活に寄与できると考えている。我々も「かがやく”笑顔”のために」をコーポレートスローガンとして掲げ、腸内細菌叢の研究を推進することで人々への貢献を模索している。本講演では、善玉菌として混同されがちなビフィズス菌と乳酸菌の違いや、ヒトと共に進化してきた一部のビフィズス菌が、なぜ我々の健康維持に寄与するのかについて、基礎・応用・臨床研究を通じて得られた知見を紹介しながら考えてみたい。
小田巻先生講演レジュメ

*なお、参加者アンケートの集計結果は後日掲載します。

(文責・写真:miruhana)

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