食の安全と安心フォーラム第21回『食物アレルギーのリスク低減を目指して』(7/11)開催速報

◎SFSS食の安全と安心フォーラム第21回  開催速報
『食物アレルギーのリスク低減を目指して』

【開催日】2021年7月11日(日)<講演会>13:00~17:00 <懇親会>17:00~18:30
【開催場所】オンライン(Zoom)東京大学農学部フードサイエンス棟SFSS事務局より配信
【主 催】NPO法人食の安全と安心を科学する会(SFSS)
【後 援】消費者庁、東京大学大学院農学生命科学研究科
【協賛社】株式会社セブン-イレブン・ジャパン、日本生活協同組合連合会、サラヤ株式会社、
日清食品ホールディングス株式会社
【対象、定員】食品関連行政、食品事業者、マスメディア、市民団体、アカデミアなど  定員:80名
【参加費】講演会/懇親会 一般3,000円
*SFSS会員、後援団体、協賛社(口数次第)、メディア(媒体名で参加)は参加費無料

NPO法人食の安全と安心を科学する会(SFSS)は2年に1度、
食品安全に係る重要なハザードとして食物アレルギーのリスク低減を目的に
「食の安全と安心フォーラム」を開催しています。

今回も医療現場・学校給食現場・食品事業者・市民団体という4つの分野より有識者を招き、
ご講演+活発な意見交換を実施しました。
なお、講演会後のオンライン懇親会では、Zoomブレイクアウトセッションを用いて、
各演者と参加者の皆様との質疑応答の機会をもうけました。

【プログラム】

13:00-13:10 開会あいさつ『食物アレルギーのリスク低減の意義について』
小川 正(SFSS顧問)
13:10-13:50 『インシデントレポートから見た食物アレルギー誤食の実態とその対策』
近藤 康人(藤田医科大学総合アレルギーセンター 小児科 教授)
13:50-14:30 『学校給食での食物アレルギー対応』
塩塚 宏治(多摩市立多摩中学校 栄養教諭)
14:40-15:20 『検査キット製造者の立場から見た食物アレルギー』
黒田 和彦(株式会社森永生科学研究所 代表取締役社長)
15:20-16:00 『10~20代の食物アレルギー対象プレアンケート結果/私たちができること』
赤城 智美(認定NPO法人アトピッ子地球の子ネットワーク 事務局長/専務理事)
16:00-16:50 パネルディスカッション
パネリスト:上記演者5名+阿紀 雅敏(SFSS副理事長)
進行:山崎 毅(SFSS理事長)
16:50-17:00 閉会のあいさつ
阿紀 雅敏(SFSS副理事長)
17:10-18:30 オンライン懇親会(講師を囲む会)@Zoomブレイクアウトセッション

*講演要旨ならびに講演レジュメは以下のとおりです:

①『インシデントレポートから見た食物アレルギー誤食の実態とその対策』
近藤 康人(藤田医科大学総合アレルギーセンター 小児科 教授)

人間はもともとミスを犯しやすい動物であるためヒューマンエラーは避けられません。重大事故(アクシデント)が発生する前には、その前に多くの「ひやりはっと(インシデント)」が潜んでいます。そこで重大事故を予防するヒント集になればと考えて、毎年総合アレルギーセンターのホームページなどを介して食物アレルギーに関する「ひやりはっと(人間が犯した不注意・誤認・判断ミス)事例」を収集し、解析した事例集をネット上に掲載しています。今回はその中から、自宅、教育施設、外食などで生じた教訓的な事例を紹介し、患者さんから許可を得ていただいた貴重な写真を提示しながら、食物アレルギー誤食の実態と発症予防対策について解説します。

近藤先生講演レジュメ/PDF:3.2MB

②『学校給食での食物アレルギー対応』
塩塚 宏治(多摩市立多摩中学校 栄養教諭)

各市区町村は、給食施設,設備により、食物アレルギーのある児童・生徒の状況等に基づき,対応可能な範囲で食物アレルギーの児童・生徒への給食を提供しています。食物アレルギーのある児童・生徒へ,正しい診断に基づいた必要最小限の食物除去を行いながら,適切な栄養素の確保,生活の質を維持するよう配慮を行い、食物アレルギーのある児童・生徒と他の児童・生徒が,発達段階に応じて,互いの違いを認め合い助け合う中で,みんなが同じように給食時間を楽しみ,食を通して成長していくことを目指して提供しています。このような現状をお話いたします。

塩塚先生講演レジュメ/PDF:1.66MB

③『検査キット製造者の立場から見た食物アレルギー』
黒田 和彦(株式会社森永生科学研究所 代表取締役社長)

アレルゲンを含む食品の表示は、食物アレルギーを持つ方が喫食できる食品を選択するための重要な情報源です。このため、食品事業者は正確なアレルゲン情報を提示できるよう、検査キットも活用しながら管理体制を構築しています。初期の食物アレルゲン検査キットは加工度の高い食品中のアレルゲン検出が難しかったのですが、サンプル処理方法などを検討し、現在はより正確な量を把握することができるように改良されています。更に最近は現場で迅速に検査できる手法が開発され、製造工程でのアレルゲン管理を実施するために有効な手段の一つとなっています。今回は検査キットの開発経緯と食品事業者の取り組み事例について紹介します。

黒田先生講演レジュメ/PDF:615KB

④『10~20代の食物アレルギー対象プレアンケート結果/私たちができること』
赤城 智美(認定NPO法人アトピッ子地球の子ネットワーク 事務局長/専務理事)

食物アレルギーの患者が自分の「リスク」を知り、リスク低減に向けた行動をとることの重要性を、市民活動において常々感じています。表示をどのように認識しているのか、どのような失敗の経験があり、失敗した時にどのようなリカバーができるのか(できないのか)。患者が認識するアレルゲンの種類によって危険度の差はあるのかなど、患者の行動や経験について理解し、リスク低減に向けたアプローチを検討したいと思います。

赤城先生講演レジュメ/PDF:0.98MB

*なお、写真・参加者アンケートの集計結果は後日掲載します。

(文責:miruhana)

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