食の安全と安心フォーラム第27回『食文化の継承と食中毒対策』(7/21)開催速報

【開催日】2024年7月21日(日)13:00~17:30
【開催場所】東京大学農学部フードサイエンス棟中島董一郎記念ホール
       (ハイブリッド:Zoom会議)
【主 催】NPO法人食の安全と安心を科学する会(SFSS)
【後 援】東京大学大学院農学生命科学研究科
【賛 助】キユーピー株式会社、旭松食品株式会社、カルビー株式会社
     株式会社セブンーイレブン・ジャパン
【書籍協賛】日本生活協同組合連合会
【対 象】一般消費者、行政、食品事業者、メディア、栄養士、学生など
【定 員】会場:70名、オンライン:100名
【参加費】一般3,000円/学生1,000円
 *SFSS会員、後援団体、協賛団体(口数次第)、
  メディア(媒体名で参加)、栄養士、学生は参加費無料

島国である我が国は、刺身、寿司、生カキなど海産物を生で食べる食文化がある。生食は海産物にとどまらず、朝ごはんの定番である卵かけご飯や郷土料理の鶏刺しなどの畜産物にも及び、近年は若者を中心に食肉の生食が全国的に増加傾向にある。一方、農畜水産物には微生物の汚染リスクがあり、生食には食中毒を起こす危険性を伴う。戦後の食中毒の代表格である寿司や刺身などによる腸炎ビブリオ食中毒は激減したが、近年はアニサキスによる食中毒が増加傾向にある。カキを介したノロウイルス食中毒も依然発生している。卵が関連したサルモネラ食中毒は賞味期限設定等の対策により大きく減少したが、依然発生している。食中毒事例の多くを占めるカンピロバクター食中毒は鶏肉や鶏レバーが関連している。生食をやめ、十分な加熱を行えば食中毒は減少するが、一方で長い歴史の中で育んできた食文化を継承することも大切である。今回は、アニサキス、ノロウイルス、サルモネラ、カンピロバクターを中心に我が国の食中毒の歴史と現状の課題について話題提供していただき、食文化の継承と食中毒対策を中心に考えたい。

山本茂貴先生

杉山広先生

野田衛先生

 

大河内美穂先生

中村寛海先生

【プログラム・講演レジュメ】

13:00-13:10 開会あいさつ
山﨑 毅(SFSS理事長)

13:10-13:50 『我が国の食中毒対策の歴史と現状の課題』
山本 茂貴(内閣府食品安全委員会 委員長)


我が国の食文化や食中毒の歴史および腸炎ビブリオ、サルモネラ、腸管出血性大腸菌、ノロウイルス等の対策として、リスク管理機関(農林水産省、厚生労働省)およびリスク評価機関(食品安全委員会)が行ってきたこと、そして、現状問題となっている微生物および対策を行うにあたっての課題等について、ご講演いただく。
<山本先生講演要旨>
<山本先生講演レジュメ>

13:50-14:30 『アニサキス(サバ、アジ等の魚介類を中心に)
杉山 広(国立感染症研究所 客員研究員)

原因物質別食中毒事件数で現在最も多いアニサキスによるは、アジ、サバ等の魚介類の生での喫食による。刺身や寿司等の魚介類の生食は、我が国の食文化の代表的なものであり、現在食品安全委員会では、アニサキスのリスクプロファイルの取りまとめが進行中である。それらを踏まえ、アニサキス食中毒対策の現状と対策について、ご講演いただく。
<杉山先生講演レジュメ>

14:30-15:10 『ノロウイルス(カキ、食品取扱者の二次汚染食品を中心に)』
野田 衛(国立医薬品食品衛生研究所 客員研究員)


ノロウイルス食中毒はノロウイルスの汚染を受けたカキ等の二枚貝や調理従事者からの二次汚染を受けた食品を原因とすることが多い。本年もカキによる食中毒や手作業を伴う寿司による食中毒が発生した。これらを踏まえ、ノロウイルス食中毒の現状と対策について、ご講演いただく。
<野田先生講演レジュメ>

15:10-15:30 coffee break

15:30-16:10 『鶏卵加工におけるサルモネラリスクへの対応』
大河内 美穂(キユ―ピー㈱品質保証本部
 食品安全科学センター次長)

1980~90 年代にかけて世界的に鶏卵によるサルモネラ・エンテリティディス食中毒が多発し、大きな社会的な問題となった。その後の表示基準設定などの措置を講じた結果、卵によるサルモネラ食中毒は激減した。それらを踏まえ、サルモネラ食中毒対策の現状と対策について、ご講演いただく。
<大河内先生講演レジュメ>

16:10-16:50 『カンピロバクター(鶏肉を中心に)』
中村 寛海 ((地独)大阪健康安全基盤研究所 主幹研究員)


現在細菌性食中毒の中で最も多いカンピロバクター食中毒の多くは鶏肉の喫食による。多くは加熱不十分な状態での喫食である一方、鳥刺しなどの生食による事例もある。それらを踏まえて、カンピロバクター食中毒の現状と対策について、ご講演いただく。
<中村先生講演レジュメ>

16:50-17:20 パネルディスカッション
パネリスト:上記演者5名、小島正美
進行:山崎 毅

17:20-17:25 閉会あいさつ
阿紀 雅敏(SFSS副理事長)

17:25-17:30 SFSSからの案内
山崎 毅

17:45-19:00 講師を囲む会
立食懇親会@会場横ロビーエリア
【参加費】一律2,000円(現地にて現金で集金)


(文責:miruhana)

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