食の安全と安心フォーラム第19回(7/26)活動報告

◎食の安全と安心フォーラム第19回 活動報告
『飲食業にとっての新型コロナ時代のリスク低減策
~食品衛生ならびに法規制上のリスクにどう対処する~』

開催日時:2020年7月26日(日) <講演会>13:00~17:50
開催場所:オンライン会議(Google Meet)~新型コロナ対応のため~
主  催:NPO法人 食の安全と安心を科学する会(SFSS)
後  援:東京大学大学院農学生命科学研究科食の安全研究センター、(株)フードサポート
協  賛:東京サラヤ株式会社、一般社団法人食品品質プロフェッショナルズ
対象・定員:食品関連行政、食品事業者、マスメディア、市民団体、アカデミアなど 定員:80名
参加費:講演会:3,000円
*SFSS会員、後援団体、メディア関係者(取材の場合)は講演会参加費が無料

専門家4名によるご講演後、パネルディスカッションでは
参加者からのご質問に回答していただく形の意見交換会を実施いたしました。

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関崎勉先生

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三宅眞実先生

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三木朗氏

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田代 翼氏

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■プログラム
※写真・講演レジュメをビジネス目的で使用される場合には
主催者もしくは著作者の許諾を必ず取ってください。

【ご講演】

13:00-13:40 『総括:新型コロナ時代に飲食業は食のリスクにどう向き合うべき?』
関崎 勉 (東京大学大学院農学生命科学研究科 教授)

新型コロナ感染症の発生を受けて,飲食店では店舗内飲食に代わり,テイクアウトやデリバリーによる販売が多くなった。当初世間では,急増するテイクアウト・デリバリーによる食中毒の危険性を指摘する人もいたが,専門家の中には,大量の食数を扱う仕出しや弁当とは違い,調理してから食べるまでの時間が短いため,食中毒が起る危険性が高まることはないという人もいる。しかし,テイクアウト・デリバリーに新規参入する店舗も多く,中には知らずに衛生管理の基本から外れてしまうケースがあるかもしれない。本フォーラムでは,いくつかの視点から基本的事項を再確認すると共に,新しい生活様式に向けた食のリスク低減について議論したい。
講演レジュメ/PDF:960KB

13:50-14:30 『”With Corona”における感染性食中毒対策 ~ウエルシュ菌を中心に~』
三宅 眞実 (大阪府立大学大学院生命環境科学研究科 教授)

新型コロナ感染症が国内で拡大するにつれ人々の衛生意識は一気に高まり、副次的に季節性インフルエンザ感染者数や感染性食中毒の発生件数までもが減少している。一方、新しい生活様式が求められ人々の食習慣が変化した結果、食品流通にも変化が生まれテイクアウトやデリバリー事業の裾野も広がり始めた。これら社会状況の変は、従来の管理手法の中に埋没していた衛生管理のほころびを表出させることにつながり、思いがけない食中毒の発生につながっている。本講演では、食中毒の統計データや近々の食中毒事例を基に、”with Corona”の時代に注意すべき感染性食中毒を取り上げて、その対処法を解説したい。
講演レジュメ/PDF:1.22MB

14:40-15:20 『飲食業のテイクアウト/デリバリー等における食品衛生法上の留意点について』
三木 朗 (厚生労働省 医薬・生活衛生局 食品監視安全課 課長)

新型コロナウイルス感染症の流行拡大を受け、平時には客席を設けて飲食させる飲食店等において、新たに持ち帰り(テイクアウト)や宅配(出前)などのサービスを開始する事例が増えている。食品衛生の観点では、喫食までの時間が長くなることに加えて、特に夏期は気温や湿度の上昇により食中毒のリスクが高まることから、自治体に対して、新たに指導を要請するとともに、消費者に対しても、これら食品を速やかに喫食するよう注意喚起した。新型コロナ感染症下にある食品衛生法上の留意点とともに、本年6月に施行されたHACCPに沿った衛生管理(完全施行は来年(2021 年)6月)についても紹介したい。

講演レジュメ/PDF:1.29MB

15:20-15:30  <コーヒーブレーク>

15:30-16:10 『店内飲食を主とした多店舗展開外食企業における
テイクアウト・デリバリー施策実施上の課題(トリドールの事例)』
田代 翼 (株式会社トリドールホールディングス 食品安全管理部食品安全企画課)

このたびのコロナ禍の影響で、お客さまのテイクアウト需要が高まり、当社では、いままでの店内飲食を中心とした戦略から「店内」と「テイクアウト」両方の消費者ニーズにこたえていくことが不可欠となりました。調理後すぐにお客さまに食べていただく前提から、店舗の手を離れ、いつ食べていただくか分からない状況は、単に容器と販売方法の切り替えをするだけではすまない、食品安全上考慮すべきさまざまなリスクを含んでいます。ビジネスとして早い判断スピードが求められる中、食品安全担当がどのように判断をし、食品安全上最適な営業の模索を続けているか、当社の事例を紹介します。
講演レジュメ/PDF:647KB

16:20-17:50 <パネルディスカッション>
テーマ:『飲食業のテイクアウト/デリバリーにおけるリスク低減策について』
パネリスト:演者4名、コーディネータ:山崎 毅(SFSS理事長)

*参加者アンケート集計結果(PDF/1.11MB)

【お問い合わせ先】 SFSS本部事務局
〒113-8657 東京都文京区弥生1-1-1 東京大学農学部フードサイエンス棟405-1号室
TEL/FAX: 03-6886-4894  info@nposfss.com

(文責・撮影:miruhana)

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