食のリスクコミュニケーション・フォーラム2021第2回テーマ:『残留農薬のリスコミのあり方』(6/20)開催速報

食のリスクコミュニケーション・フォーラム2021
『withコロナの安全・安心につながるリスコミとは』
第2回テーマ:『残留農薬のリスコミのあり方』(6/20)開催速報

【開催日程】2021年6月20日(日)13:00~17:50
【開催場所】オンライン会議(Zoom)
【主  催】NPO法人食の安全と安心を科学する会(SFSS)
【後  援】消費者庁、東京大学大学院農学生命科学研究科
【協  賛】株式会社セブン-イレブン・ジャパン、日本生活協同組合連合会、日清食品ホールディングス株式会社、
サラヤ株式会社
【参加費】3,000円/回、学生は1,000円/回
*SFSS会員、後援団体( 先着1~2 名程度 )、メディア関係者 (取材の場合) は参加費無料

3人の専門家より、それぞれのテーマに沿ったご講演をいただいた後、パネルディスカッションでは参加者からのご質問に対して活発な意見交換がなされました。

【プログラム】

13:00~14:00 『グリホサートのリスク(発がん性)について』
原田 孝則 (一般財団法人残留農薬研究所 理事長)
14:00~15:00 『世界・日本の「反グリホサート運動」の真相』
浅川 芳裕(農業技術通信社)
15:00~15:20 休憩
15:20~16:20 『我が国の農薬登録制度について』
小林 秀誉(農林水産省 消費・安全局農産安全管理課農薬対策室 室長)
16:20~17:50 パネルディスカッション
『残留農薬のリスコミのあり方』
パネリスト:上記講師3名、 進行:山崎 毅(SFSS理事長)

*講演要旨ならびに講演レジュメは以下のとおりです:

①原田 孝則 (一般財団法人残留農薬研究所 理事長)
『グリホサートのリスク(発がん性)について』

グリホサートは、1970 年に米国モンサント社によって開発されたアミノ酸系除草剤で、1974 年に米国にて登録され、安全で有効な除草剤として世界的に普及し、現在も各国にて幅広く使用されている。ところが 2015 年に国際がん研究機関(IARC)が、グリホサートを Group 2A「ヒトに対しておそらく発がん性がある」に分類したことに端を発し、その波紋が各国に波及し、農薬業界のみならず農業作業者や一般消費者にまでグリホサートの安全性に対する不安を煽る結果となった。このグリホサートを Group2A に分類した IARC の根拠と各国規制当局のリスク評価結果を対比しながら、その発がん性リスクについて科学者としての個人的見解を述べる。

原田先生講演レジュメ/PDF:843KB

②浅川 芳裕(農業技術通信社)
『世界・日本の「反グリホサート運動」の真相』

グリホサート(除草剤ラウンドアップ等の有効成分)の使用に対して、”市民”の反対運動が長期化している。グリホサートは世界中の科学的規制機関で安全性試験をクリアし、150 カ国以上の農業現場でもっとも使用されている農薬成分である。科学界・農業界に受け入れられながら、なぜ反対運動が続くのか。その背景には、米国の訴訟ビジネス業界と欧米日の反農薬・GM の有機ビジネス業界の共通利害が存在する。さらには、両業界の利害にお墨付きを与える国際機関の存在ならびに業界と機関のパイプ役として動く専門家の利害がある。講演では、この複雑な利害構造を解きほぐし、反対運動の真相に迫る。そのことで、従来の性善説に基づく農薬リスクコミュニケーションの限界を示すと共に、新たな視点から根本的な打開策を提言する。

浅川先生講演レジュメ/PDF:483KB

③小林 秀誉(農林水産省 消費・安全局農産安全管理課農薬対策室 室長)
『我が国の農薬登録制度について』

農薬は、農産物を安定供給するために必要な資材である一方、農作物という、食品になり得る物に散布されるものであり、また意図的に環境中に放出されるものであることから、リスクを適切に管理する必要がある。本講演では、我が国において、農薬を新しく開発したり、使用したりするときにどのように管理されているのかについて紹介する。また、食品中の残留農薬については、各国が定める基準値のほか、国際的な基準値(コーデックス基準値)も存在する。本講演では、コーデックス基準値の設定の仕方や、基準値を設定する際の科学的な考え方についても紹介する。

小林先生講演レジュメ/PDF:979KB

*なお、写真・参加者アンケートの集計結果は後日掲載します。

(文責:miruhana)

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