食の安全を脅かす問題はなぜこうも続くのでしょうか?
腸管出血性大腸菌による食中毒、口蹄疫・鶏インフルエンザ、原発事故による食品の放射能汚染の問題など…
人類が対応しきれない「想定外」の自然の脅威のせいでしょうか?リスク管理責任者が制御しきれない網の目をくぐって、経済を優先してしまう市場のせいでしょうか?困ったことに、自然の脅威にしても、利潤を追求し続ける市場にしても、おそらく地球上から消すことはできないでしょう。
環境に順応しながらも、我々にとって生きるために必要な飲食物を安全なものとして確保していくことが、人類の永遠の課題と言えます。そのためには、過去の事故を教訓として、これから起こりうる食の安全と安心を脅かすものを「想定内」として、それに対処していくリスクマネジメントが必要です。
こういった食の安全に関する科学的知見が社会的に必要とされる中、
2006年に東京大学大学院農学生命科学研究科に食の安全研究センター(http://www.frc.a.u-tokyo.ac.jp/)が設立されました。
さらに、2010年には同研究科にフードサイエンス棟が建設され、
同年12月に竣工記念シンポジウムも開催されました。
こういった食の安全と安心に関する研究の動きが加速されることに呼応して、
研究機関、民間企業、自治体、消費者も含めた一般市民が協力して、
食の安全と安心の研究を推進し、世の中への学術啓発を進めるNPOの必要性が増し、
2011年2月に内閣府の認証(現在は東京都管轄)を受けて、「特定非営利活動法人食の安全と安心を科学する会:SFSS」が設立されました。
われわれは皆様とともに、食の安全と安心の過去と現在を学び、
危機管理やリスクコミュニケーションを含む食の安全と安心の未来について
今後も活発に議論し、研究を推進し、科学的に正確な情報を提供するよう、努めております。