
信頼できる食品安全情報を目指して
野良猫 食情報研究所 主宰
畝山 智香子
野良猫 食情報研究所は私・畝山が食品安全に関係する国内外のニュースの科学について理解を深めることで健康と安全に貢献することを目指して2024年に始めたものです。
私は国立医薬品食品衛生研究所安全情報部で2003年から海外の食品安全情報の収集・解析・提供業務に携わる傍ら、個人的に食品安全情報blogを運営して公式情報には掲載されないニュースも含めて20年以上にわたって情報発信を行ってきました。2024年3月で定年を迎えたため、個人での情報発信を強化するために野良猫 食情報研究所として再出発しました。
はじめるにあたって目指したのは、独立した第三者の立場での、国内外の食品関連化学物質に関する科学の、可能な限り信頼性の高い情報提供と解説です。基本原則は科学に忠実であること、です。
食品に関する情報は、日本では食品安全委員会、消費者庁、厚生労働省、農林水産省のような役所やその付属機関、学術界、企業、消費者団体などいろいろなところから発せられます。専門家ではない一般的消費者は、自分で判断できないようなことについては最終的には国や誰かを「信頼」することになるのですが、フェイク情報を含む情報が氾濫している中で信頼を預けることが難しいと感じる場合も少なくないでしょう。
そんな時に、国、企業、消費者団体、学者などのそれぞれ立場の違うところから一貫して同じメッセージが出されている場合には、たとえネットで怪しい情報を目にしたとしても信頼できる情報だと判断するのが容易になると思います。いろいろな立場や価値観があっても、事実としては変わらないのが科学だと言えます。いろいろな立場からの情報発信を増やすこと、それによって消費者がより信頼できる情報をもとに安心して食生活をおくることができるようにしたい、それが目的でした。
そのため特定の企業や役所などの紐付きではなく、個人を含む幅広いサポーターの方たちに支援して頂く形をとっています。野良猫という名称も、自由気ままで誰に対しても遠慮せず噛みつくイメージから名付けています(ただしアイコンにつかっている猫は完全室内飼いです)。
現在のメインの活動は日々情報収集してブログ野良猫 食情報研究所(https://foodnews.hatenadiary.com/)にアップすることと、Foocomでの不定期コラム 野良猫通信 – FOOCOM.NET(https://foocom.net/category/column/noraneko/)です。
幸いにして食品関係のニュースを担当している記者などの目につくことが多く、ある程度当初の目的を果たすことができていると思っていました。
予想外だったのは、アメリカの第二次トランプ政権で、陰謀論者として名高いRobert F. Kennedy, Jr.氏が保健福祉長官になってアメリカの科学と公衆衛生を大きく変えてしまったことです。
それまで長い間、食品のリスクコミュニケーションに際して私を含め多くの担当者は公的機関からの信頼できる情報を頼りにしてください、という趣旨のことを繰り返し伝えてきました。公的機関の中でもFDAは信頼度の高い、非常に頼りになる情報源でした。それが突然、ワクチンが自閉症の原因だの植物油が病気の原因だのといった陰謀論を公式に発表し始めたのです。これは大変ショッキングなことでした。公式発表である以上、公的機関の情報を収集して提供するという食品安全委員会や国立医薬品食品衛生研究所の食品安全情報ではFDAの言い分をそのまま紹介せざるを得ません。これまで世界の規制機関の間で見解が異なることはよくあり、しばしば「EFSAの評価には合意しない」などのような発表があったことはあります。しかしそれはあくまで科学の土俵の中で話ができる範囲にとどまっていました。それが完全に科学の文法が通じないものになった。それをどう扱ったらいいのかわからない、前例のない事態に陥ってしまったのです。
そこで自由な立場である私個人がRFK, Jr.氏のグループの発する情報の問題点を指摘しておかなければならないという義務感を感じています。公的見解に対して公的機関が公式に異議を唱えると国際問題になりかねないので、慎重にならざるを得ません。しかしながら日々情報は流れてくるのでアメリカの状況に由来する日本の消費者への悪影響をできるだけ小さくするために速やかな対応(間違いを指摘すること)が必要です。現時点ではアメリカのMAHA(MAKE AMERICA HEALTHY AGAIN、アメリカを再び健康にする)ムーブメントの監視も重要な役割と認識しています。

最後に、この活動に賛同して頂けるサポーター会員は常時募集中です➡➡


