キユーピー株式会社

グループ規範

 私どもキユーピーグループは、現在、2016年から2018年の3ヵ年の中期経営計画(以下、中計と略)の1年目にあります。この8次中計を考え るうえで、グループが大切にしている経営理念をあらためて見直すことにしました。また、私たちの「姿勢」である「グループ規範」についても見直し ました。グループ規範は、より良い企業市民として守っていくべき「倫理規範」と、キユーピーグループらしさを高めるために推進する「行動規範」の 二つからなります。
 さて、企業の果たすべき社会的責任、いわゆるCSR(Corporate Social Responsibility)について、ISO26000ではCSRのガイドラインとしてCSRの基本的概念である「7つの原則」と具体的なCSR活動 の枠組みである「7つの中核主題」を示しています。この「7つの中核課題」では、ガバナンス・人権・労働慣行・環境・公正な事業慣行・消費者課 題・コミュニティへの参画を掲げ、CSR活動の重要な枠組みとして示しています。
 この「7つの中核主題」を大まかに分類すると、ガバナンス・人権・労働慣行・公正な事業慣行はコンプライアンス領域としての「守り」と考えます。 私たちグループでは、これらを「倫理規範」の中で規定しました。
 一方の環境・消費者課題・コミュニティへの参画については、キユーピーグループらしさを高めるための活動として「行動規範」で示しています。この「行動規範」のなかで、当会本誌に関わりの深い視点で三つほど、解説をさせて頂きます。
 一つめは「品質第一主義」です。「・・・メーカーなのだから、当たり前のことであろう…」という読者の方々の声が聞こえてきそうですが、この「品質」とは企業の生産活動で生まれる「商品の品質」だけを言っている訳ではありません。企業活動である営業活動や事務、研究開発、お客様対応や広報など、様々な企業や事業の活動にも「品質」は存在し、それぞれの品質を高めることでお客様や社会からの信頼にお応えできると考えています。自部門自部署、チーム、従業員一人ひとりが「品質第一主義」を考え、実践を積み上げることで、グループの「品質第一主義」を推進できるのだと考えています。
 二つめは「食育を中心とした社会貢献」です。私たちグループの社会貢献活動は、例え小さなことでも永く続けていることがユニークさにもなっています。「オープンキッチン」と呼んでいる工場見学は「工場は、家庭の台所の延長である」と考え、今から55年前の1961年から開始しています。現 在では見学施設である「マヨテラス」を含め、年間で約11万人の消費者の方々にお越し頂き、食への関心を深めて頂くとともに、安全・安心への取り組みをお伝えする場になっています。また野菜摂取の大切さや食の楽しさをお伝えするための出前授業である「マヨネーズ教室」を2002年より開始し、昨年度は全国約400校の小学校で開催いたしました。震災避難地域の仮設住宅地では地域や郷土の食材を活かした料理教室を地域の方々と従業員が一緒になって開催し、コミュニティ作り盛り上げのお手伝いをさせて頂いております。
 三つめは「地球環境への貢献」です。キユーピーグループでは、年間に25万トンもの鶏卵を使用し商品を生産していますが、ここから出る卵殻も廃棄 することなく、カルシウム源としての食品素材や肥料、チョークや壁紙、自動車用のスタッドレスタイヤなどへの工業用原料としても利用して頂いてい ます。これら以外にも、限られた資源を有効に活用する、循環して環境に負荷をかけない取り組みや、森林など自然保護・保全活動にも従業員参画型の取り組みも行っています。

コンプライアンス領域

 現在の3ヵ年中計におけるグループのCSR活動をハイウェイになぞらえると、コンプライアンス領域の「守り」を橋脚などの土台とし、その上に「自然との共存と地域発展への貢献」と「様々な世代に向けた食育と支援」の左車線と右車線(追い越し車線という訳ではありません…)に例えることができます。
 「自然との共存と地域発展への貢献」という左車線には「自然への感謝と保全」「地域社会への感謝と貢献」という車を、「様々な世代に向けた食育と 支援」という右車線には「子どもと子育てお母さんへの支援」と「超高齢社会と社会的弱者の支援」という車を走らせていることになります。それぞれは個別に走ったり、お互いが連携して並走したりしながら、「健康なくらしと豊かな社会の持続的発展」というゴールに向かってまい進していきたいと考えています。

【文責:キユーピー株式会社広報・CSR本部 執行役員本部長 森 佳光】

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