食のリスクコミュニケーション・フォーラム2022
『消費者市民に対して説得ではなく理解を促すリスコミとは』
第1回テーマ:『食品添加物の不使用表示について』(4/24)開催速報
【開催日程】2022年4月24日(日)13:00~17:30
【開催場所】オンライン会議(Zoom)
【主 催】NPO法人食の安全と安心を科学する会(SFSS)
【後 援】消費者庁、東京大学大学院農学生命科学研究科
【賛助・協賛】キユーピー株式会社、旭松食品株式会社、カルビー株式会社、株式会社セブンーイレブン・ジャパン、
日清食品ホールディングス株式会社、日本生活協同組合連合会、サラヤ株式会社、日本ハム株式会社
【参加費】3,000円/回、学生は1,000円/回
*SFSS会員、後援団体( 先着1~2 名程度 )、メディア関係者 (取材の場合) は参加費無料
3人の専門家より、それぞれのテーマに沿ったご講演をいただいた後、パネルディスカッションでは参加者からのご質問に対して活発な意見交換がなされました。
宇野真麻先生
佐々義子先生
小島正美先生
【プログラム】
13:00~13:50 『食品添加物の不使用表示に関するガイドラインについて』
宇野 真麻(消費者庁食品表示企画課 課長補佐)
13:50~14:40 『”〇〇でない表示”で広まるリスク誤認』
佐々 義子(くらしとバイオプラザ21 常務理事)
14:40~15:00 休憩
15:00~15:50 『無添加ガイドラインこれからどうなるか~報道の構図と対策~』
小島 正美(食品安全情報ネットワーク(FSIN)共同代表)
16:00~17:30 パネルディスカッション
『食品添加物の不使用表示について』
パネリスト:上記講師3名、 進行:山崎 毅(SFSS理事長)
*講演要旨ならびに講演レジュメは以下のとおりです:
① 宇野 真麻(消費者庁食品表示企画課 課長補佐)
『食品添加物の不使用表示に関するガイドラインについて』
食品添加物の不使用表示に関するガイドラインについてお話いたします。食品添加物が不使用である旨の表示は、食品関連事業者等が容器包装に任意で行っているものです。表示禁止事項を定めた食品表示基準第9条では、任意表示であったとしても、誤認させる表示、義務表示事項の内容と矛盾する表示であれば、消費者の食品の選択の機会において正確な情報たり得ないとして禁止しています。今般、表示禁止事項に該当するおそれが高いと考えられる表示についてガイドラインを取りまとめたのでお話いたします。
<宇野先生講演レジュメ/PDF:1.49MB>
②佐々 義子(くらしとバイオプラザ21 常務理事)
『”〇〇でない表示”で広まるリスク誤認』
食品添加物の不使用表示ガイドラインがついにできました。その背景にはいくつかの理由がありますが、「〇〇」にあたかもリスクがあるように消費者を誤認させ、結果的に健全な食のリテラシー醸成を妨げるというのが大きな理由のひとつです。一方、この「〇〇ない」表示は、差別化して自社の製品をアピールし、売り上げを伸ばすための役割を果たしてきたのも事実です。表示は消費者と食品事業者をつないでくれる大切な懸け橋です。「〇〇ない」表示が消費者にどのような影響を与えてきたのか、健全な表示はどうあるべきかをご一緒に考えたいと思います。
<佐々先生講演レジュメ/PDF:1.39MB>
③小島 正美(食品安全情報ネットワーク(FSIN)共同代表)
『無添加ガイドラインこれからどうなるか~報道の構図と対策~』
無添加表示が横行する背景は何なのか。またメディアはその状態をどう報じているのか。メディアの関心が強いようには思えないが、そのことが無添加の横着ぶりを助長しているようにみえる。現実にスーパーなどで見られる無添加表示を見ながら、どう改善していけばよいかを一緒に考えてみたい。消費者庁のガイドラインは無添加表示の横行に歯止めをかけるのか。ガイドラインは個人的には思ったよりも充実した内容だ。ガイドラインをうまく活用すれば、リスク誤認をもたらす無添加表示を減らすことができるはずだ。それがうまくいくかどうかはメディアの報道いかんであろう。
<小島先生講演レジュメ/PDF:3.86MB>
*なお、参加者アンケートの集計結果は後日掲載します。
(文責・写真記録:miruhana)