食のリスクコミュニケーション・フォーラム2024 第1回:『ゲノム編集食品のリスコミのあり方』(4/21)開催速報

食のリスクコミュニケーション・フォーラム2024
『消費者市民の安全・安心につながるリスコミとは』
第1回テーマ:『ゲノム編集食品のリスコミのあり方』(4/21)開催速報

【開催日程】2024年4月21日(日)13:00~17:00
【開催場所】東京大学農学部フードサイエンス棟中島董一郎記念ホール+オンライン会議(Zoom)ハイブリッド開催
【主  催】NPO法人食の安全と安心を科学する会(SFSS)
【後  援】消費者庁、東京大学大学院農学生命科学研究科
【賛助・協賛】キユーピー株式会社、旭松食品株式会社、カルビー株式会社、
株式会社セブンーイレブン・ジャパン、日清食品ホールディングス株式会社、
日本生活協同組合連合会、サラヤ株式会社、日本ハム株式会社、東海漬物株式会社
【参加費】3,000円/回、学生は1,000円/回
*SFSS会員、後援団体(先着1~2 名程度)、メディア関係者(取材の場合)は参加費無料

3人の専門家より、それぞれのテーマに沿ったご講演をいただいた後、パネルディスカッションでは参加者からのご質問に対して活発な意見交換がなされました。

【プログラム】

13:00~13:50 『低アレルゲン鶏卵の作出と安全性評価について』
堀内 浩幸 (広島大学大学院統合生命科学研究科 教授)
13:50~14:40 『ゲノム編集ジャガイモの研究開発について』
村中 俊哉 (大阪大学大学院工学研究科 教授)
14:40~15:30 『日本発ゲノム編集食品~これまでとこれから』
佐々 義子 (くらしとバイオプラザ21常務理事/SFSS理事)
15:30~15:50 休憩
15:50~17:00 パネルディスカッション
『ゲノム編集食品のリスコミのあり方』
パネリスト:上記講師3名、 進行:山崎 毅(SFSS理事長)

堀内浩幸先生

堀内浩幸先生

村中俊哉先生

村中俊哉先生

佐々義子先生

佐々義子先生

*講演要旨ならびに講演レジュメは以下のとおりです:

➀堀内 浩幸 (広島大学大学院統合生命科学研究科 教授)
『低アレルゲン鶏卵の作出と安全性評価について』

私たちの研究グループでは,ゲノム編集技術を用いて鶏卵の主要なアレルゲンであるオボムコイドをノックアウトすることに成功しました。今後,この低アレルゲン鶏卵を食品等に利用するためには,厳しい安全性の評価が必要になります。すでにいくつかのゲノム編集食品が開発され,一部は販売されています。本フォーラムでは,私たちの研究グループにおいて,どのようにしてオボムコイドをノックアウトしたのか,またどのような安全性評価を行っているのかをご紹介させていただきます。
堀内先生講演レジュメ

➁村中 俊哉 (大阪大学大学院工学研究科 教授)
『ゲノム編集ジャガイモの研究開発について』

ジャガイモは、世界の生産量が4番目の主要作物であるが、作物自身が持つ毒を気にしなければならないのはジャガイモのみである。私たちの研究グループは、毒の成分が、ジャガイモでどのように作られるかの研究を実施し、その過程で、SSR2と名付けた遺伝子をゲノム編集することにより毒成分が大幅に低減することを2014年に報告した。ジャガイモは”イモ”で増える栄養繁殖性であることから元の品種の特性を維持しつつ、かつ、外来遺伝子がない系統を取得するための技術開発には年単位の時間が必要である。本フォーラムでは、私たちの研究開発のプロセス、その過程での技術的課題、リスクコミュニケーションのあり方など、私自身の実体験をもとに話を進めたい。
村中先生講演レジュメ

➂佐々 義子 (くらしとバイオプラザ21常務理事/SFSS理事)
『日本発ゲノム編集食品~これまでとこれから』

2020年12月にGABAを多く含むトマトが、2021年9月に肉厚のマダイが、2021年10月に成長の早いトラフグがゲノム編集食品として届け出られた。現在、このトマトはネット販売と店頭販売で、マダイやトラフグはネット販売で消費者の手に届くようになった。この背景には、迅速に食品としての安全性確認や環境影響評価のしくみが整い、表示のルールも定められたことが大きい。日本は、ゲノム編集食品の上市と規制や表示の制度整備の両面で海外から注目されている。上市後のリスクコミュニケーションも含めて、ご一緒に考えたい。
佐々先生講演レジュメ

*なお、参加者アンケートの集計結果は後日掲載します。

(文責:miruhana)

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