旭松食品株式会社

■GAPを通した持続可能な生産の実現を目指して

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 近年、国連が定めた持続可能な開発目標(SDGs)を中心に持続可能な生産を行うことが社会的な命題となっており、旭松食品株式会社においてもSDGsの達成に向けての取り組みを開始しています。この取り組みの一つとして原料農産物のGAP認証化を進めております。

■持続可能な生産とGAP
 「GAP」とはGood(適正な)Agricultural(農業の)Practices(実践)の略称で農業における管理手法の一つです。
 病害の防除や播種、収穫などの生産工程を記録し管理しているため、食品の安全を確保しやすくなっています。また、環境保全や労働安全、人権福祉など広範な領域についても管理されており、持続可能な生産についてカバーしている手法であり農業におけるSDGsを達成する有効な手段の一つになっています。
 このようなGAPの概念に沿って管理基準をまとめた規格が世界中で数多く作られておりますが、第三者認証が可能な国際水準の規格から、認証を行わない自主管理水準の規格まで求められる水準も幅広くあります。
 この中でも「GLOBALG.A.P.認証」や「ASIAGAP認証」などはThe Consumer Goods Forum傘下の食品安全の推進母体である世界食品安全イニシアチブ(Global Food Safety Initiative)に認められた国際水準のGAP認証規格です。

■さらなる価値の追求
 現在、食品に向上が求められている価値は製品そのもののおいしさや安全性、機能性だけではありません。どのように製品が作られているかということやこの製品を使用することで社会にどのように貢献できるのかなど、付随する情報も製品の価値の一つとなってきています。2020年東京オリンピック・パラリンピックではその調達基準に「持続可能性に配慮していること」が規定されており、特に食品では国際水準のGAP認証を取得した農産物でないと供給できないなど、社会的にも強く要求されるテーマとなって来ました。

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■GAP認証取得農場での栽培の推進
 旭松食品株式会社は、より安全で安心な食品を製造するために、2015年に食品安全マネジメントシステムの国際規格であるFSSC22000認証を取得いたしました。
 そして、さらなる品質の追求のための取り組みとしてGAP認証を取得した農産物の使用への変更を推進しております。その第一歩として高野豆腐の原料についてもGAP認証を取得した農場で栽培された農産物(以下、GAP農産物と呼びます)の使用を進めたいという思いから、アメリカ産の大豆についてGLOBALG.A.P.認証取得農場での栽培への切り替えを行いました。
 加えて国内についてもASIAGAP認証を自社で取得し、大豆の栽培を開始いたしました。このASIAGAP運用の経験を基に、国内でのGAP農産物生産の普及にも取り組んでいきたいと考えております。

■GAPの課題と目標
 現在のGAP普及について抱える問題として、この新しい農業手法が一般の消費者にあまり認知されておらず、GAP農産物の価値がまだまだ評価されていないという点が挙げられます。さらに国際水準の認証では栽培工程を管理するという規格上、GAP農産物を使った加工食品への認証表示は禁止されています。このようにGAP認証の表記には強い制限がかかっており、消費者へ直接、情報伝達できず認知度の向上に繋がらないという大きな課題があると認識しています。
 弊社がGAP農産物を利用することで、農業従事者の幸福や栽培している地域の環境保全につながるなど持続可能性に対する確かな付加価値の向上があると考えております。
 旭松食品株式会社は2030年までに使用する全ての大豆をGAP農産物にすることを目標としてGAPの拡大と普及に取り組んでいきます。さらに農林水産省の推進するGAPパートナー制度にも参画しており、需要者と供給者の両面からGAPの普及活動を支えていきます。
 GAP農産物とFSSC22000認証のダブル認証で消費者がより安心して食べていただけるだけでなく、持続可能性に配慮した食品製造を目指します。

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