食の安全と安心フォーラム第16回(1/27)開催速報

◎食の安全と安心フォーラム第16回 開催速報
『HACCP制度化など食品安全の国際化に必要なことは?
~殺菌の同等性評価と新規殺菌手法の現状および課題~』

開催日時:2019年1月27日(水)13:00~17:50 <懇親会>18:00~19:30
開催場所:東京大学農学部フードサイエンス棟中島董一郎記念ホール
〒113-8657 東京都文京区弥生1-1-1
主  催:NPO法人 食の安全と安心を科学する会(SFSS)
後  援:東京大学大学院農学生命科学研究科食の安全研究センター
対象・定員:食品関連行政、食品事業者、マスメディア、市民団体、アカデミアなど 定員:90名
参加費:講演会:3,000円 懇親会:2,000円(当日会場にて現金で申し受けます)
*SFSS会員、後援団体、メディア関係者(取材の場合)は講演会参加費が無料

食品安全確保に関する諸外国や国内の法規制や現状および新たな微生物殺菌手法に詳しい専門家4名によるご講演後、パネルディスカッションでは参加者からのご質問に回答していただく形の意見交換会を実施いたしました。

forum16_01.jpg
forum16_02.jpg

荒木惠美子先生

forum16_03.jpg

小暮 実先生

forum16_04.jpg

小林泰彦先生

forum16_05.jpg

山本和貴先生

forum16_06.jpg
forum16_07.jpg

進行:野田衛先生、山崎毅理事長

forum16_08.jpg
【講演要旨/講演レジュメ】
※講演レジュメをビジネス目的で使用される場合には
主催者もしくは著作者の許諾を必ず取ってください。

​13:30-14:00
『国内および海外における食品安全確保のための法規制の現状・課題』
荒木 惠美子(東海大学海洋学部水産学科 客員教授)

わが国でも遂にHACCPが制度化されることになった。現在、関連法規制等の改正案が検討されている。HACCPは食品安全管理の国際標準であるが、本来の概念は常識的なシステムである。ハザード管理には科学的・合理的な根拠が求められているものの、現状”十分な○○”や”すみやかな△△”といった用語が多く、曖昧さも多い。HACCP普及のためにどのような科学的・合理的根拠や情報が必様か。特に”低温殺菌”を中心に課題を考える。

荒木先生講演レジュメ/pdf:3.19MB>

14:00-14:30
『食品衛生法に基づく規格基準の課題とHACCP制度化への対応』
小暮 実(食品衛生アドバイザー/元中央区保健所食品衛生監視員)

平成30年6月に15年ぶりに食品衛生法が大改正されHACCPが制度化された。各自治体の保健所でもHACCP制度化に向けて準備を進めているが、まだ細かな政省令が出ていないため、具体的な対策を建てるまでには至っていない。肝心のHACCPプラン作成に当たっては、63℃30分間や75℃1分間といった画一的な加熱殺菌方法がほとんどである。同等の効果のある加熱殺菌方法も認められているが、具体例や考え方がハッキリしていないため保健所でも対応に苦慮している。食品衛生法の規格基準と保健所の現状を報告したい。

小暮先生講演レジュメ/pdf:1.05MB>

14:30-15:00
『放射線殺菌技術の食品への応用』
小林 泰彦(量研 量子ビーム科学研究部門 高崎量子応用研究所 放射線生物応用研究部長)

放射線殺菌・滅菌は確立した技術であり、国内でも医療機器、食品容器、実験動物用飼料などを対象に商用照射施設が稼働している。高温高圧蒸気滅菌やEOGなどのガス滅菌と比べて、温度がほとんど上がらないため対象物の品質が保たれる、最終梱包状態での連続処理が可能、工程管理と滅菌保証が容易、残留ガスの除去や排ガス処理も不要などの利点がある。諸外国では、コーデックス規格やISO規格の下で、食品の安全確保と品質向上のために香辛料や乾燥野菜、乾燥食品素材、生鮮・冷凍食肉・魚介類などの微生物制御にも応用されている。それらの海外の事例を紹介し、日本での応用の可能性を考えたい。

小林先生講演レジュメ/pdf:5.79MB>

15:00-15:30
『食品高圧加工による殺菌の現状・課題』
山本 和貴(国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構 食品研究部門
食品加工流通研究領域 食品品質評価制御ユニット長)

世界初の高圧加工食品が日本で発売されて以降、微生物を不活性化しつつ新鮮な色、香り、栄養・機能性成分の損耗を最小とする加工技術として、特にジュース及び肉製品の高圧加工食品が市場を拡大している。その衛生基準に国際規格はなく、米国、欧州等では、独自の衛生基準を定めて実用化を推進している。一方、日本は、食品衛生法に熱殺菌との同等以上の効力証明を求める清涼飲料水の製造基準がある等、事情が異なる。高圧殺菌の特徴、利点、欠点を踏まえつつ、日本での技術普及に向けた課題を議論したい。

山本先生講演レジュメ/pdf:527KMB>

15:30-16:00  <コーヒーブレーク>

16:00-17:50 <パネルディスカッション>
テーマ:『殺菌の同等性評価と新規殺菌手法導入の課題(法規制改革もふくむ)について』
上記パネラー4名、進行:野田 衛(日本食品衛生協会学術顧問)、山崎 毅(SFSS理事長)

18:00-19:30 <懇親会(講師を囲む会)> @講演会場ロビー(café agri 101)

*なお、参加者アンケートの集計結果は後日掲載します。

【お問い合わせ先】 SFSS本部事務局
〒113-8657 東京都文京区弥生1-1-1 東京大学農学部フードサイエンス棟405-1号室
TEL/FAX: 03-6886-4894  info@nposfss.com

(文責・写真撮影:miruhana)

タイトルとURLをコピーしました