食のリスクコミュニケーション・フォーラム2019第2回:『食品添加物のリスコミのあり方 ~不安を煽るフェイクニュースにどう対抗する?』(6/23)開催速報

食のリスクコミュニケーション・フォーラム2019
『消費者市民の安全・安心につながる食のリスコミとは』
第2回テーマ:『食品添加物のリスコミのあり方 ~不安を煽るフェイクニュースにどう対抗する?』(6/23)開催速報

【開催日程】2019年6月23日(日)13:00~17:50
【開催場所】東京大学農学部フードサイエンス棟 中島董一郎記念ホール
【主  催】NPO法人食の安全と安心を科学する会(SFSS)
【後  援】消費者庁、東京大学大学院農学生命科学研究科附属食の安全研究センター
【協  賛】一般社団法人食品品質プロフェッショナルズ
【参加費】3,000円/回
*SFSS会員、後援団体(先着1~2 名程度)、メディア関係者(取材の場合)は参加費無料

3人の専門家より、それぞれのテーマに沿ったご講演をいただいた後、パネルディスカッションでは会場の参加者からのご質問に対して活発な意見交換がなされました。

【プログラム】

13:00~14:00 『やってみよう! 食品添加物のリスクコミュニケーション』
瀬古 博子(消費生活アドバイザー・FOOCOM)
14:00~15:00 『消費者における食品添加物リスクの捉え方』
大瀧 直子(SFSS・食品安全リスクコミュニケーター)
15:00~15:20 休憩
15:20~16:20  『なぜ不安を煽るのか、その原因を知ってから対応を考えよう!』
西島 基弘(実践女子大学 名誉教授)
16:20~17:50 パネルディスカッション
『食品添加物のリスコミのあり方 ~不安を煽るフェイクニュースにどう対抗するか』
進行:山崎 毅(SFSS)、パネラー:各講師
18:00~19:30 懇親会

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瀬古博子先生

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大瀧直子先生

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西島基弘先生

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*講演要旨ならびに講演レジュメは以下のとおりです:

①瀬古 博子(消費生活アドバイザー・FOOCOM)
『やってみよう! 食品添加物のリスクコミュニケーション』

「消費者は食品添加物を理解していない」とよく言われる。食品添加物への不安の原因は、消費者の理 解不足なのか。不安をあおる情報は、日々メディアやネットを賑わせており、一度打ち消しても再生産され続けている。それに対して、どのような対応策が打ち出されているか。それらは有効なのか。一方で、リスクコミュニケーションとは、不安解消のために行う、一方的な「説得」ではありえない。リスクの理解に役立つリスクコミュニケーションのあり方について、考えてみたい。

瀬古先生講演レジュメ/PDF:1.25MB

②大瀧 直子(SFSS・食品安全リスクコミュニケーター)
『消費者における食品添加物リスクの捉え方』

消費者の食品の合理的選択のためには食品安全情報を理解することが必要である。リスク分析の三要素といわれるリスクコミュニケーションには、それぞれのステークホルダーが、つまり消費者も含めて、食品安全のリスクの考え方を理解していることが前提にある。「リスク」の理解が不十分なため、リ スクと聞くとその大小に関わらず危険なものと捉え、避けようとする傾向が強い。リスクが小さいにも関わらず、食品添加物、残留農薬、放射性物質、遺伝子組換え作物等は過大に認識され、リスクが大きいにも関わらず微生物汚染は過小に認識される。食品添加物について、消費者、調理師専門学校生等への情報提供の事例を紹介し、今後の有効なリスクコミュニケーションのあり方について考えていきたい。

大瀧先生講演レジュメ/PDF:491KB

③西島 基弘(実践女子大学 名誉教授)
『なぜ不安を煽るのか、その原因を知ってから対応を考えよう!』

食糧事情が比較的潤沢になるに伴い、食品の安全性を問題とする消費者運動が盛んになりました。食品添加物に関する管轄が厚生省になり、安全性が確保されないものは削除し、食品添加物公定書が発刊されました。現在、食品添加物に関しては、食品安全委員会が安全性を確認した物について、厚生労働省が有効性等を確認し、規格や基準値を定めて食品添加物を許可しています。しかし、現在も依然として不安を持っている人達がいます。その原因の一つに、科学的でないことを訂正しない官庁や公的機関が行っている答えを誘導しているアンケート調査なども間接的に不安を煽っているのではないかと考えます。最近でも週刊誌や新聞等で、自称専門家たちが、根拠の無いことをコメントし、それを検証することも無く書きたてるマスコミの人達もいます。さらに、書店に行くと専門家の書いた本はほとんど探すことが出来ず、根拠の無いことや量のことを無視した書きぶりで不安を煽る本しか置いていないのが現状です。消費者の誤解を解消する最も早道は、学校教育なのかもしれません。

西島先生講演レジュメ/PDF:692KB

*なお、参加者アンケートの集計結果は後日掲載します。

(文責・写真撮影:miruhana)

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