食のリスクコミュニケーション・フォーラム 第2回 速報

テーマ:「食の安心につながるリスコミを議論する」

2014年6月29日(日)、東京大学農学部中島董一郎記念ホールにて
「食のリスクコミュニケーション・フォーラム2014
“食の安心につながるリスコミを議論する”@東大農学部」
4回シリーズの第2回が開催されました。

3人の専門家の方からのリスコミに関するご講演の後、
パネルディスカッションでは会場の参加者からのご質問に対して、
演者の先生方にご回答いただくとともに、活発な討論が展開されました。

risk2_01.jpg
risk2_02.jpg
risk2_03.jpg

荒井 祥(上野製薬株式会社 食品事業部事業企画部企画課 課長)

risk2_04.jpg

古川 雅一(東京大学農学生命科学研究科特任准教授)

risk2_05.jpg

中嶋 洋介(品質と安全文化フォーラム代表理事)

risk2_06.jpg
risk2_07.jpg

フォーラムの概要・プログラムならびに各演者の講演要旨は以下のとおりです:

◎食のリスクコミュニケーション・フォーラム2014(4回シリーズ)
『食の安心につながるリスコミを議論する 第2回』
【開催日程】2014年6月29日(日)13:00~17:40
【開催場所】東京大学農学部フードサイエンス棟 中島董一郎記念ホール
【共催】NPO法人食の安全と安心を科学する会(SFSS)、一般財団法人社会文化研究センター
【後援】東京大学大学院農学生命科学研究科食の安全研究センター、一般社団法人品質と安全文化フォーラム

【プログラム】

13:00~14:00 『食品添加物・保存料についての消費者意識とメーカーの取組み事例』
荒井 祥(上野製薬株式会社 食品事業部事業企画部企画課 課長)

14:00~15:00 『なぜ、消費者はわかってくれないのか ~情報の捉え方と行動パターンを理解する~』
古川 雅一(東京大学農学生命科学研究科特任准教授)

15:20~16:20 『食品の安心と”コミュニケーション”』
中嶋 洋介(品質と安全文化フォーラム代表理事)

16:20~17:40 パネルディスカッション

*各ご講演の講演要旨は以下のとおりです:

①  『食品添加物・保存料についての消費者意識とメーカーの取組み事例』
荒井 祥(上野製薬株式会社 食品事業部事業企画部企画課 課長)

食の安全において最も大きな課題の一つは、腐敗や食中毒の原因となる微生物の制御である。上野製薬㈱は食品工場の衛生化に役立つ資材・サービスを提供しており、保存料等の食品添加物もその一つである。食品添加物は安全性が確認されており、特に保存料等については適切な使用が食品の安全性を高める。しかし、消費者は食品添加物に不安を感じていると言われている。本フォーラムでは、弊社における食品添加物への消費者意識調査の結果やコミュニケーション・情報発信の事例について報告する。本フォーラムから、弊社の今後の取組みへのヒントをいただけるものと期待している。

② 『なぜ、消費者はわかってくれないのか ~情報の捉え方と行動パターンを理解する~』
古川 雅一(東京大学農学生命科学研究科特任准教授)

人間は感情を持つ動物であるがゆえに、さまざまな不合理な行動をとってしまう。安全性といった何らかの情報を与えられた際も同様である。ただ、その不合理な行動には一定のパターンが存在する。本フォーラムでは、そのパターンについて解説するとともに、それぞれの不合理性に対する対処法について、消費者対応・リスクコミュニケーションの視点から考える。

③ 『食品の安全・安心と”コミュニケーション”』
中嶋 洋介(品質と安全文化フォーラム代表理事)

食品の安心を実現するためには、科学技術(製造)によって食品に潜在するリスクを消費者が受容できるレベルにまで低減させ、食品に残留するリスクが十分に小さいことを検証して、その結果を消費者に伝えねばなりません。しかし、安全を実現した企業が消費者からの信頼を失っている場合には、どのような情報を発信しても、消費者には受け入れられないでしょう。その意味では、安心は安全と信頼の関数と言えるのですが、消費者からの安心を得るための重要なツールが”コミュニケーション”です。皆さんが良く使われている”リスクコミュニケーション”という用語は1988年頃に現れたのですが、いずれは消えていく可能性が高いと思われます。そこで、この用語の問題点と、食品の安全と安心のためにはどのようなコミュニケーションが必要かについて、皆さんと一緒に考えたいと思います。

アンケート結果などは、後日まとまり次第、
活動報告として公開予定です。

<文責:山崎 毅>

タイトルとURLをコピーしました