食のリスクコミュニケーション・フォーラム2021
『withコロナの安全・安心につながるリスコミとは』
第3回テーマ:『学校給食のリスコミのあり方』(8/29)開催速報
【開催日程】2021年8月29日(日)13:00~17:50
【開催場所】オンライン会議(Zoom)
【主 催】NPO法人食の安全と安心を科学する会(SFSS)
【後 援】消費者庁、東京大学大学院農学生命科学研究科
【協 賛】株式会社セブン-イレブン・ジャパン、日本生活協同組合連合会、日清食品ホールディングス株式会社、
サラヤ株式会社
【参加費】3,000円/回、学生は1,000円/回
*SFSS会員、後援団体( 先着1~2 名程度 )、メディア関係者 (取材の場合) は参加費無料
3人の専門家より、それぞれのテーマに沿ったご講演をいただいた後、パネルディスカッションでは参加者からのご質問に対して活発な意見交換がなされました。
【プログラム】
13:00~14:00 『最近の学校と学校給食における食中毒事故の傾向と事例についての考察』
吉田 達也 (株式会社菜友)
14:00~15:00 『衛生学の目線で考える学校給食』
大道 公秀 (実践女子大学)
15:00~15:20 休憩
15:20~16:20 『学校給食受託業務における衛生管理』
牧 美弥子 (SFSS 理事)
16:20~17:50 パネルディスカッション
『学校給食のリスコミのあり方』
パネリスト:上記講師3名、 進行:山崎 毅(SFSS理事長)
*講演要旨ならびに講演レジュメは以下のとおりです:
①吉田 達也 (株式会社菜友)
『最近の学校と学校給食における食中毒事故の傾向と事例についての考察』
学校において児童生徒が給食を食べる際に想定されるリスク要因として、食中毒、異物混入、食物アレルギー、窒息等が考えられる。1996年の堺市集団下痢症の事故以降、大量調理施設衛生管理マニュアル、学校給食衛生管理基準の整備や科学的なエビデンスに基づくマニュアルや栄養教諭・学校栄養職員の衛生管理講習の実施などにより食中毒事故件数は減っているが、ゼロとなった年はなく日々の業務の見直しが続いている。 直近では児童が食事中にパンをのどに詰まらせて死亡する重大な事故も起きている。 また非加熱食品である牛乳による大規模な食中毒事故も発生し、給食室や給食センターが介入しにくい事故も目立っている。 これらの最近発生した様々な事故の特徴と背景を考察し、見えてくる課題を紹介する。
②大道 公秀 (実践女子大学)
『衛生学の目線で考える学校給食』
学校給食は、保護者も食事をする本人もその食事内容を選ぶことはできない。それゆえ学校給食には安全でそして、安心できる食事を求めていく願いは高まる。しかし学校給食にどこまでの安全そして安心を求めればよいのだろうか。一方で学校給食は教育活動という側面がある。この独特な性質をもつ学校給食について、衛生学の視点から課題を挙げていきたい。また、私が行った集団給食施設の衛生管理に関する調査結果をもとに、衛生管理が進んでいる施設とはどのような施設だったのか、その特性を紹介し、衛生管理を進めるためには何が必要かを考察する。最後に With コロナ、After コロナの学校給食について考えてみる時間としたい。
③牧 美弥子 (SFSS 理事)
『学校給食受託業務における衛生管理』
文部科学省が公表した「平成 30 年度(2018 年度)学校給食実施状況調査の結果について」によると、学校給食調理業務における外部委託状況は、2018 年 5 月1日現在、小・中学校単独調理場、共同調理場ともに前回調査比(2 年に 1 回の調査)4.6 ポイント増の 50.6%を占めるようになっています。受託事業者として、給食調理の提供において食中毒防止対策、異物混入防止対策等について学校給食衛生管理基準に基づいた具体的取組を行っていますが、課題や方向性など皆様と議論の場にできればと思います。
*なお、写真・参加者アンケートの集計結果は後日掲載します。
(文責:miruhana)