食のリスクコミュニケーション・フォーラム2022
『消費者市民に対して説得ではなく理解を促すリスコミとは』
第2回テーマ:『輸入食品のリスコミのあり方』(6/26)開催速報
【開催日程】2022年6月26日(日)13:00~17:30
【開催場所】オンライン会議(Zoom)
【主 催】NPO法人食の安全と安心を科学する会(SFSS)
【後 援】消費者庁、東京大学大学院農学生命科学研究科
【賛助・協賛】キユーピー株式会社、旭松食品株式会社、カルビー株式会社、株式会社セブンーイレブン・ジャパン、
日清食品ホールディングス株式会社、日本生活協同組合連合会、サラヤ株式会社、日本ハム株式会社
【参加費】3,000円/回、学生は1,000円/回
*SFSS会員、後援団体( 先着1~2 名程度 )、メディア関係者 (取材の場合) は参加費無料
3人の専門家より、それぞれのテーマに沿ったご講演をいただいた後、パネルディスカッションでは参加者からのご質問に対して活発な意見交換がなされました。
吉田翔先生
中村啓一先生
天明英之先生
【プログラム】
13:00~13:50 『熊本県産アサリ産地偽装の裏側』
吉田 翔(CBCテレビ報道部 記者)
13:50~14:40 『輸入食品の偽装防止と行政の監視~農水省が異例の警鐘~』
中村 啓一(元農水省食品表示 Gメン)
14:40~15:00 休憩
15:00~15:50 『輸入食品の表示等のあり方』
天明 英之 (公益社団法人 日本輸入食品安全推進協会)
16:00~17:30 パネルディスカッション
『輸入食品のリスコミのあり方』
パネリスト:上記講師3名、 進行:山崎 毅(SFSS理事長)
*講演要旨ならびに講演レジュメは以下のとおりです:
①吉田 翔(CBCテレビ報道部 記者)
『熊本県産アサリ産地偽装の裏側』
国内に流通する活アサリの約9割が中国と韓国からの輸入品だが、スーパーに中国・韓国産の活アサリはなく、”熊本産”と表記されたアサリが多く販売されていた。一体なぜなのか。愛知の漁業関係者は「中国・韓国産のアサリが熊本産に偽装されている」と証言した。取材を重ね、熊本の干潟で産地が化ける瞬間の撮影に成功した。今年1月、産地偽装の当事者の証言も交えて放送すると、国や県が対策に乗り出した。一方、正しく”中国産”と表記したアサリが売れないなど、新たな問題も…。取材を通して見えてきた、行政、業者、スーパー、消費者が複雑に絡み合った産地偽装問題について考える。
<吉田先生講演レジュメ/PDF:1.54MB>
②中村 啓一(元農水省食品表示 Gメン)
『輸入食品の偽装防止と行政の監視~農水省が異例の警鐘~』
本年2月、農水省は熊本県産あさりに外国産が混入している可能性があると公表した。特定の産地の産品について産地表示を疑う公表は極めて異例だ。公表の背景には行政の背中を押した報道と看過できない現状があった。輸入食品の産地偽装はこれまでも様々な品目で繰り返されており、その多くが中国産隠しだ。生産者に配慮した長いところルールが偽装を招いたのか。輸入食品の偽装防止に行政の監視は行き届いているのか。今、産地の本気度も問われている。過去の事例も踏まえて輸入食品の偽装防止への取り組みと行政の監視について考える。
<中村先生講演レジュメ/PDF:2.48MB>
③天明 英之 (公益社団法人 日本輸入食品安全推進協会)
『輸入食品の表示等のあり方』
あさりの産地偽装事件が社会問題になり世間を騒がせ、このため、消費者庁はあさりの産地偽装の再発防止策として食品表示基準Q&Aを改正しました。今回のフォーラムではこの食品表示基準Q&A改正を分かりやすく解説すると共に、この大前提となる、外国から食品を問題なく日本に輸入するための、食品の安全性の確保に必要な食品衛生法遵守についての行政と輸入者の役割分担、また、国内で流通させるために必要な食品表示法に適合した食品表示について、輸入食品に特に重要な産地表示を生鮮食品、加工食品、加工食品の原料の3つの場合に分けて解説します。また、あさりに合わせて改正されたしいたけの原産地表示についても解説します。
<天明先生講演レジュメ/PDF:7.76MB>
*なお、参加者アンケートの集計結果は後日掲載します。
(文責・写真記録:miruhana)