食のリスクコミュニケーション・フォーラム2023 第1回:『食中毒微生物のリスコミのあり方』(4/23)開催速報

食のリスクコミュニケーション・フォーラム2023
『消費者市民のリスクリテラシー向上につながるリスコミとは』
第1回テーマ:『食中毒微生物のリスコミのあり方』(4/23)開催速報

【開催日程】2023年4月23日(日)13:00~17:00
【開催場所】東京大学農学部フードサイエンス棟中島董一郎記念ホール+オンライン会議(Zoom)ハイブリッド開催
【主  催】NPO法人食の安全と安心を科学する会(SFSS)
【後  援】消費者庁、東京大学大学院農学生命科学研究科
【賛助・協賛】キユーピー株式会社、旭松食品株式会社、カルビー株式会社、
株式会社セブンーイレブン・ジャパン、日清食品ホールディングス株式会社、
日本生活協同組合連合会、サラヤ株式会社、日本ハム株式会社、東海漬物株式会社
【参加費】3,000円/回、学生は1,000円/回
*SFSS会員、後援団体(先着1~2 名程度)、メディア関係者(取材の場合)は参加費無料

3人の専門家より、それぞれのテーマに沿ったご講演をいただいた後、パネルディスカッションでは参加者からのご質問に対して活発な意見交換がなされました。

【プログラム】

13:00~13:50 『ウイルス性食中毒対策における検証や検査の意義』
野田 衛 (SFSS理事・麻布大学客員教授)
13:50~14:40 『細菌性食中毒をリスコミで減らすには』
岡田 由美子 (国立医薬品食品衛生研究所)
14:40~15:30 『アニサキスと身近にある危険な食品』
小暮 実 (SFSS理事・元中央区保健所)
15:30~15:50 休憩
15:50~17:00 パネルディスカッション
『食中毒微生物のリスコミのあり方』
パネリスト:上記講師3名、 進行:山崎 毅(SFSS理事長)


野田衛先生

野田衛先生

岡田由美子先生

岡田由美子先生

小暮実先生

小暮実先生

*講演要旨ならびに講演レジュメは以下のとおりです:

➀野田 衛 (SFSS 理事・麻布大学客員教授)
『ウイルス性食中毒対策における検証や検査の意義』

食品取扱者の二次汚染を原因とするノロウイルス食中毒対策は、手洗い、トイレ等の消毒、汚染物処理、健康管理など、一般的衛生管理が基本です。これらの対策はマニュアル化され、画一的な方法で実施されていても、個人差が生まれやすく、その効果は必ずしも一様ではありません。また、新型コロナウイルスのパンデミックで PCR 検査や抗原検査が広く認知されたものの、その特徴が正しく理解されているとは言い難い状況です。本フォーラムでは、対策の検証と検査をキーワードとして、ノロウイルス食中毒対策を考えたいと思います。
野田先生講演レジュメ

➁岡田 由美子 (国立医薬品食品衛生研究所)
『細菌性食中毒発生をリスコミで減らすには』

食中毒菌にはカンピロバクターなど食品中で増殖しないもの、腸管出血性大腸菌など低菌量で発症するもの、ボツリヌス芽胞など通常の加熱工程では死滅しないもの等、食中毒三原則で防止困難な性質を持つものがあります。また、リステリアやエルシニアのように 4 ℃以下でも増殖するものもあります。特にリステリアでは非加熱喫食食品を介した感染が国際的に問題となっており、食品出荷時の初発菌数が極めて低い製品での食中毒発生が見られています。このような食中毒を防止 するには、製造工程での汚染防止に加え、食品の特性や消費者の購入後の行動を踏まえた消費期限等の設定、更には消費者が自らの感染リスクを低下させうる行動を選択するような情報提供が重要となります。
岡田先生講演レジュメ

➂小暮 実 (SFSS 理事・元中央区保健所)
『アニサキスと身近にある危険な食品』

コロナ渦で会食の機会が減ったため、食中毒事件数や患者数は減少しています。一方で、アニサキスによる事件数だけが増加しています。また、身近な食品の中にも、食べ方によっては、健康被害の可能性の高い食品が提供されています。食品衛生法改正により、食品事業者は危害要因を分析して食品を提供するようHACCPが制度化されましたが、食品のリスクを正しく理解して対応できるように、食品衛生監視員の立場からお話しさせて頂きます。
小暮先生講演レジュメ

*なお、参加者アンケートの集計結果は後日掲載します。

(文責・写真:miruhana)

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