食のリスクコミュニケーション・フォーラム2022第3回:『科学報道におけるリスコミのあり方』(8/28)開催速報

食のリスクコミュニケーション・フォーラム2022
『消費者市民に対して説得ではなく理解を促すリスコミとは』
第3回テーマ:『科学報道におけるリスコミのあり方』(8/28)開催速報

【開催日程】2022年8月28日(日)13:00~17:30
【開催場所】オンライン会議(Zoom)
【主  催】NPO法人食の安全と安心を科学する会(SFSS)
【後  援】消費者庁、東京大学大学院農学生命科学研究科
【賛助・協賛】キユーピー株式会社、旭松食品株式会社、カルビー株式会社、株式会社セブンーイレブン・ジャパン、
日清食品ホールディングス株式会社、日本生活協同組合連合会、サラヤ株式会社、日本ハム株式会社
【参加費】3,000円/回、学生は1,000円/回
*SFSS会員、後援団体( 先着1~2 名程度 )、メディア関係者 (取材の場合) は参加費無料

3人の専門家より、それぞれのテーマに沿ったご講演をいただいた後、パネルディスカッションでは参加者からのご質問に対して活発な意見交換がなされました。

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楠見 孝先生

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秋津 裕先生

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小出重幸先生

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【プログラム】

13:00~13:50 『メディア・リテラシーと批判的思考』
楠見 孝(京都大学大学院教育学研究科 教授)
13:50~14:40 『リテラシー構造に基づくコミュニケーションとは? -エネルギーリテラシー構造モデルを事例に-』
秋津 裕(エネルギーリテラシー研究所 代表)
14:40~15:00 休憩
15:00~15:50 『科学報道-メディアはリスクを伝えられるか』
小出 重幸(日本科学技術ジャーナリスト会議 理事)
16:00~17:30 パネルディスカッション
『科学報道におけるリスコミのあり方』
パネリスト:上記講師3名、 進行:山崎 毅(SFSS理事長)

*講演要旨ならびに講演レジュメは以下のとおりです:

①楠見 孝(京都大学大学院教育学研究科 教授)
『メディア・リテラシーと批判的思考』

市民は、様々なリスク情報について、何を信じて行動したら良いのか迷うことがある。そこで、リスク情報を、批判的思考に基づくメディアリテラシーによって読み解くことが重要であることを、認知心理学の立場から紹介する。第1に、メディアリテラシーとは何かを、リテラシーの構造やテクノロジーの進歩と情報環境の変化に基づいて捉える。第2に、批判的思考とは何か、そのリスク情報の吟味のプロセスについて述べる。第3に、市民のリスクリテラシーの育成がリスク対処のために重要であることを述べる。最後に、リスクリテラシー育成のための、教育、マスメディアによるリスクコミュニケーション、ネットコミュニティの役割について述べる。
楠見先生講演レジュメ/PDF:1.18MB

②秋津 裕(エネルギーリテラシー研究所 代表)
『リテラシー構造に基づくコミュニケーションとは?-エネルギーリテラシー構造モデルを事例に-』

近年、「〇〇リテラシー」という言葉をよく耳にするようになりました。ご存じの通り、リテラシーとは単に知識を言うのではありません。リテラシーは,与えられた課題を社会の中で広く議論するために必要な能力であり、問題解決の主体者となる社会構成員の基礎として教育によって育まれる公共的教養と言うことができます。そこで、「リテラシーがある人」とはどのような姿であるのかを調べるために、エネルギーリテラシーを事例に、日本、米国、タイの中学生の調査で得たエネルギーリテラシー構造モデルをご紹介いたします。外からの刺激が構造モデルのどの部分に影響を及ぼすのか、そのイメージができると、より効果的な発信につながるのではないかと考えます。
秋津先生講演レジュメ/PDF:5.19MB

③小出 重幸(日本科学技術ジャーナリスト会議 理事)
『科学報道-メディアはリスクを伝えられるか』

お話しでは、以下のような素材をもとに、討論の手がかりを提示したいと考えています:
◎英国のコミュニケーションに学ぶ
・福島事故後の科学コミュニケーション成功例
・政府科学顧問の役割 GCSAとそのフレーム
・COVID-19では?
・科学的助言と政策決定 日本はどうするのか?
◎専門家に賛否があるケース、どう報道するか
・英国でのトライアル UK Science Media Centre
・両論併記にさせない 専門家・SMC・ジャーナリストの連携
◎マス・メディアを知る Newsとはなにか?
・「たいへんだあ~」、これが報道の原点
・「マスコミ」の4文字に”報道”と”娯楽”がある
・報道現場の「事実」と、伝えられる「事実」の乖離
・多様化するメディア(Data Journalism、Fact Check、Digital Platform問題)

*なお、参加者アンケートの集計結果は後日掲載します。

(文責:miruhana)

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