NPO食の安全と安心を科学する会(SFSS)
理事長 山崎 毅
5月5日(日)のこどもの日、大阪市福島区民センターにて当NPO主催、公益社団法人日本食肉協議会、東京大学大学院農学生命科学研究科附属食の安全研究センターのご後援のもと、本イベントが開催されました。
当日はお天気にも恵まれ、約380名の市民の皆様にご参加いただきました。「つながろう、福島」は大阪市福島区と福島県をつなぐ企画で、大阪市福島区役所の絶大なるご協力で開催にこぎつけたものです。
前半の講演会では、桑原征平さん、朝宮真由さんの関西らしいテンポのよい司会進行のもと、まず東京大学食の安全研究センター長の関崎勉教授より「食肉の安全:食中毒細菌のリスクを知ろう!」と題して、お肉を生で食べることのリスクについて、非常にわかりやすく解説いただきました。O157、カンピロバクターなど難しい細菌の名前も出てきましたが、食中毒予防の3原則:「付けない」「増やさない」「殺す」が印象的でした。次に、SFSS理事長の山崎より、「食肉の安心:大切なのは安全を理解すること」と題して、消費者が陥ってしまう「食品情報過敏症」の問題を解説しました。パラケルススの名言「毒か安全かは量で決まる(The Dose Makes Poison)」を引用して、2011年の福島原発事故に起因する食の放射能汚染の問題は、現時点で健康影響の出るような量ではなく、福島の農畜産物も安全性上の問題は全くなく安心して食べて下さいとうったえました。
講演のトリは、料理研究家/健康大使の服部幸應先生より、「食育:日本の食文化における食肉の重要性」と題して、日本の食文化の歴史も含めた含蓄のあるお話をいただきました。「肉には、脳を刺激して幸福感をあたえる”アナンダマイド”という物質が含まれているので、焼肉屋さんで怖い顔で食べている人はいないでしょ?」「女性は50代、男性は60代から、牛肉を少し多めに食べたほうがいいですね」「肉はプロテインスコアが100。植物性の豆腐などは68。体を維持するためには高タンパクなものも必要です」などなど、食育の奥の深さを実感させられるご講演でした。
講演会の後は、「つながろう、福島 復興支援食肉試食会」として、福島県の食肉銘柄「福島牛」「麓山高原豚」を講演会に参加いただいた市民の皆様にご堪能いただきました。もちろんお肉も美味しかったですが、ご来場いただいた一般市民の中にお子様連れの方々が結構おられたことが本当に嬉しかった。福島県民の皆さんに見ていただきたかったですね。
NPO食の安全と安心を科学する会では、今後もこういった食の安全・安心を啓発するイベントを展開してまいりますので、ご支援のほど宜しくお願いいたします。