キユーピー株式会社

食物アレルギーへの取り組み

この10~20年間で食物アレルギーは増加の一途をたどっていますが、これは日本に限ったことではなく、先進国を中心とした社会問題にも発展しつつあります。キユーピーがベビーフードの発売を開始したのは1960年。もちろんその当時は、食物アレルギーが今日ほど問題になる時代がくるとは全く予想もしないことでした。食品メーカーとして、またベビーフードのメーカーとして、キユーピーが食物アレルギーに強く関心をもって研究を始めたのが1980年代後半。厚生労働省が特定原材料の表示を義務付けた10年以上も前のことでした。
そして1991年、アレルギーに配慮したおやつ2品を「よいこになあれ」シリーズとして発売開始。以来今日まで、このシリーズのラインナップの充実を図ってきました。
近年、お客様相談室にも食物アレルギーに関する問い合わせを多くいただくようになりました。食品メーカーとして、心配されるお気持ちにしっかりとお応えしていきたいと思います。そこでキユーピーでは、食物アレルギーのお子さんを持つお母さんの負担を少しでも軽減し、応援するために、さまざまな取り組みを行っています。

≪アレルギー表示≫

食事管理のポイントは食品の原材料をチェックすること。キユーピーでは表示義務のあるものだけではなく、アレルギー特定原材料等25品目すべてについて表示しています。またベビーフードでは、重篤度、症例数が多い7品目の使用の有無をラベル正面に、一目で分かるように表で表示しています。

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≪アレルギー配慮ベビーフード≫

アレルギー特定原材料等25品目すべてに加え、米を使っていないシリーズと、重篤度、症例数が多い7品目を使っていないシリーズのベビーフードを商品化。ひえを原料としたしょう油や、牛肉・豚肉の代わりに馬肉を使用するなどしています。

≪卵アレルギー研究≫

卵アレルギーの原因となっているのは、主に卵白に含まれるたんぱく質です。加熱してたんぱく質を変性させるなどした卵白をつくり、それを食べることで、卵アレルギーになりにくくしたり、症状を改善させる研究を専門医療機関と共同で行っています。

≪食物アレルギー啓発DVDを無償配布≫

食物アレルギーの理解の輪を広げ、食物アレルギーのお子さんを持つお母さんを応援したいとの想いから、DVD「聞いてみよう!食物アレルギーのこと」を制作しました。「医学編」「栄養学編」「体験者編」の3部構成です。全国の保健所、保健センター、親の会などに無償配布しています。
「食事は楽しい」は食の基本。たとえ食事に制限が必要なお子さんでも、食事を楽しめるような商品開発・情報提供に、キユーピーグループはこれからも努めたいと考えています。

(取材:山崎 毅)

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